講演のプロと呼ばれる人たちでさえ、初めての場所では緊張するものだと言います。そんな時、彼らが頼りにしているものがあります。それは、お決まりの「儀式」と、「安心グッズ」を身に付けること。
講演のプロも緊張する初めての場面
年間の講演回数が220回を超えるという、あるコミュニケーション研修の講師が言っていました。初めての会場や、初めての聴衆、初めてのテーマで話さなければいけない時、どんなに話し慣れている人でも緊張する、と。
こうした緊張を抑えるために、講演のプロたちがこっそりやっていることがあります。
それは、「安心グッズ」を身に付けること。お守りでも、ラッキーチャームでも、子どもの頃から持っているおもちゃでも、何でも構いません。とにかく、見たり、触れたり、身につけていたりすると心の拠り所になるような、「安心グッズ」を持って演壇に立つことです。
自分なりの安心グッズを持とう
上で書いた講演200回の講師の先生は、ここ一番という時に、恩師からもらったカフスをして演壇に立つとのこと。きっと、頼れる恩師がついていてくれる気になって、心が落ち着くのでしょう。
また、その先生の知り合いのコンサルタントは、なぜか筆を演壇にそっと置いて講演しているそうです。そのコンサルタントは学生時代に書道に打ち込んでいたので、使い慣れた自分の筆を見ると不思議と心が落ち着くそうです。
初めての状況の中では、自分がよく馴染んでいる「物」を見たり、触れたりすることが安心に繋がるものです。これは心理学的でもよく言われていることです。今度人前で話す時は、自分なりの「安心グッズ」を、ぜひ試してみてはいかがでしょう。
お決まりの儀式で安心できる
上で書いた先生が言っている、もう1つの秘訣があります。それは、講演の前に、自分だけの「儀式」を行なうこと。例えば……
- 瞑想をする
- 気に入っている言葉を唱える
- 日の出を拝む
- 気に入っている音楽を聞く
- ハーブティーを飲む
- 家族の写真を見る
- お香を焚く
など、自分の好きなことなら何でもいいそうです。考えてみればスポーツ選手も、試合の日の朝に同じメニューの朝食を食べたり、同じ手順で靴ひもを結んだり、試合直前に気に入った音楽を聴いたりしていますよね。決まりきった「儀式」には、人を安心させる効果があるそうです。
講演のプロたちは、意外なノウハウを活用しているんですね。私たち話し方の素人も、こうしたプロのノウハウをどんどん盗んで、利用していった方がいいと思います。
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