人前に出てあがりを放っておくと、際限なく舞い上がってしまうもの。あがりは、始まりの小さなうちに抑えておくのが肝心です。そのために簡単にできる方法は、頭の中で1、2、3と数を数えること。
最初にあがりの「芽」を取ってしまう
ミーティングで急に発言を求められたりしたとき、周囲から「あがっている」とは思われたくないもの。「黙っているとあがっていると思われるんじゃないか」と考えて、とにかく何か喋りたくなってしまいます。ところが、そこで焦って話し始めると、かえってあがってしまいます。
どうしてかというと、あがりかけた状態、言い換えると、あがりの「芽」のようなものをそのままにしてスタートするからです。そうなると言葉だけが上滑りして、やがて自分でも何を言っているのか分からくなり、パニックに。
そんな事態にならないために、あがりの「芽」は、最初から摘み取っておきましょう。その簡単な方法が、頭の中で1、2、3と数えることです。
禅の精神統一法と同じ
禅には「数息観(すうそくかん)」という精神統一法があります。自分の呼吸(息)を、頭の中で数えるという方法です。他のことは忘れて、ただ数だけを数えます。
あがりの「芽」を摘み取るために1、2、3と数えるのは、この「数息観」の応用です。
自分が話さないといけない場面になったとき、いきなり喋り始めず、まずは1、2、3と頭の中で数を数えてみてください。1から3まで、ゆっくり数えます。(それ以上数えると不自然になりますから、10まで数えるのはやめておきましょう)
こうして3秒の間を取った後、あなたの気持は変わっているはずです。
そして、変わっているのはあなたの気持ちだけではありません。周囲があなたを見る目も変わっているはずです。
それはなぜか、というと……
数を数えているだけなのに、余裕があるように見える
1、2、3と数える効用は、自分の気持ちが落ち着くことだけではありません。あなたの見た目の印象を変える効果もあるのです。
試しに鏡の前で、黙って数を数えてみてください。その時の自分の顔――視線は一か所に固定され、口はしっかり閉ざされている――そんな表情は、あがってあたふたしている時とは正反対。誰が見ても「落ち着きのある人」「余裕のある人」と映ります。頭の中では数を数えているだけなのに。
黙っているのは言葉に詰まっているからだ、とは人は思いません。むしろ「落ち着いている」という良い印象を持つのが人間です。
人前で話し始めるとき、まず3つ数えてから話し始める。管理人は今でもやっています。小さなことかも知れませんが、こういう小さなことを積み重ねて自信をつけていくことが大事です。
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