「頭が真っ白になる」のは脳の扁桃体が活発になるから

よく「頭の中が真っ白になる」といいます。例えば、多くの人前でスピーチなどをしなければいけないとき、緊張で頭の中が真っ白になり、言葉が出なくなる。管理人も、もちろん経験があります。

この「頭が真っ白になる」という現象、特に異常なことではなく、実は科学的にちゃんと説明がついています。

緊張して「頭が真っ白になった」状態の人の脳を調べると、「扁桃体」という部分の活動が活発になっているそうです。扁桃体は下の図の赤い場所にある、アーモンド形の部分。

この扁桃体の役割は、まだ完全に解明されていません。ただ、喜怒哀楽といった感情が絡んだ記憶に関連しているということが、現在わかっています。中でも「恐怖」の感情と強い関連があり、恐かった経験を思い出すと、この扁桃体がストレスホルモンを出したり、身体のあちこちに命令を出して呼吸を早くしたり、心臓をドキドキさせたり、手足を硬直させたりするそうです。

人前で緊張すると、恐怖に似た感情が生まれ(その通り、恐いです)この扁桃体が活発に働く。なので心臓がドキドキしたり、手足がバラバラに動いているように感じるわけなんですね。

そして、扁桃体がそんなふうに活発に働きだすと、扁桃体に血液が集まります。酸素補給のためです。すると、脳内の血液が、一時的に、大量に扁桃体に集まることになる。すると、脳の他の部分が貧血状態になってしまいます。特に、大脳皮質(思考や言語、意識などを司る部分)に血が行かなくなり、いわゆる脳貧血と同じ状態になるんですね。

だから、「頭が真っ白」になる。当然です。

人間として高度な思考をする場所が貧血状態だから、「何も考えられなく」なって当然。言語を司る場所が貧血状態だから、「言葉が出なく」なって当然。意識をコントロールする場所が貧血状態だから、「意識が飛んで」しまって、当然なんです。

では、こんな「頭真っ白状態」にならないようにするにはどうするか?

現在のところ、方法は2つあると言えます。

1つは医者(精神科)に行って、社交不安障害(SAD)と診断してもらうこと。そうすれば薬を出してもらえます。例えば、SSRI(抗うつ剤)で脳内のセロトニンを増やせば、扁桃体の活動が穏やかになります。また、デパス、パキシル、トレドミンなどのベンゾジアゼピン系抗不安薬は、扁桃体が興奮するきっかけとなる不安感や恐怖感を抑えてくれます。

(※「社交不安障害」は、以前は「社・会・不安障害」と呼ばれていました。2008年に日本精神神経医学会が呼び名を改めたため、会→交となりましたが、2つは同じものです)

しかし、個人的な意見ですが、最初から医者に行って薬で治そうとするのはどうかと思います。その前にやってみることが、いろいろあるのではないでしょうか。

例えば、あがり症を克服する本とか、人前でうまくスピーチをするための本を読むとか。例えば地域の仲間が集まる「話し方サークル」に参加してみるとか。プロのスピーチトレーナーが開く教室に行ってみるとか。

そうやってどうしてもダメなら、医者というのもありかもしれません。でも、やることがまだあるうちに、薬に頼るのはどうなのでしょうか。

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