人前で緊張したときに、声が震えやすい人と、そうでない人がいます。どこが違うのか? それは日頃の声の出し方だと言われています。裏声に近い高めの声で喋る癖があったり、喉(声帯)を緊張させて喋る癖があると、いざというとき声が震えやすくなるのです。
声の震え、という悩みは、声の出し方を変えてある程度解決できます。その方法をいくつかご紹介します。声が震えなくなれば、あがりを周囲に悟られる心配がなくなりますよね。これは気分的に非常に楽です。また、自分の声の震えを意識して「まずい!」と思い、あがりの無限スパイラルに入ることもなくなるでしょう。
裏声で喋っていませんか?
日頃から、裏声に近い高めの声で喋る人は、緊張する場面で声が震えやすいと言われています。声帯が、裏声にひっくり返る寸前の不安定な状態になっているからです。このようにして声を出すと、声量がとても弱くなり、呼吸の乱れにすぐ影響されて、音がとぎれとぎれになってしまうのです。
裏声に近い声で喋る人は圧倒的に女性が多いのですが、男性にもいます。緊張した場面で声が震えやすいなら、普段の自分がどういう喋り方をしているかチェックしてみるといいでしょう。なるべく地声で喋るようにした方が、圧倒的に声が安定しますよ。
声帯を開く練習その1
日頃、地声で喋っている人でも、緊張すると声が震えるという人は多いはず。そうなるのは、喉(声帯)を固くして、あるいは絞めるようにして喋る癖がついているからだと言われます。このタイプの震えは、声帯が緊張しすぎてうまく振動してくれないことが原因。改善するには、日ごろから声帯を開く(リラックスさせる)癖をつけるのことです。そのための、最もオーソドックスな練習法は下のようなものです。
1)両足を肩幅に広げて立ち、全身をリラックスさせる
2)自分が出せる1番低い声で「あー」と発声する
3)そのまま「あー、あー、あー」と30回続ける
喉を緩めた(リラックスさせた)状態で、できるだけ低い声を出すのがポイント。話し方教室の先生によれば、こうやって1日30回ずつ「あー、あー」とやれば、1週間前後でほとんどの人の声に変化が出てくるそうです。
声帯を開く練習その2
上の練習をやっているとき、自分の喉(声帯)がちゃんとリラックスできているかよくわからない、という人には、次の方法がおすすめです。喉を広げる補助として、ティッシュを使います。
1)口を大きく開く。横にではなく、顎を下げて縦に口を開く。
2)その口に、ティッシュ1枚を丸めて入れる。ティッシュを全部押し込むのではなく、ふわりと丸めた状態のまま、半分ほど入れます。ちょうど、ティッシュの玉で口を塞ぐような形です。
3)その状態のまま、1番低い声で「あー」と発声する。1回の「あー」は3秒程度延ばします。
4)「あー、あー、あー」と10回程繰り返す。
丸めたティッシュを潰さないように、口開けておくのがポイントです。このように口を開ければ、喉や声帯も自然とリラックスするそうです。
声を震えなくするスタンダードな練習を2つご紹介しました。緊張して声が震える理由は、すべて解明されているわけではありません。この練習だけでは治らない場合もあります。そんな時は、おそらく、あがり症に対する別のアプローチが必要なのでしょう。
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