スピーチ原稿はひらがなを多く

あがり症の人ほど、体裁を気にして格式張ったスピーチ原稿を書く傾向があると言われています。そうすると、漢字の多い、普段使い慣れない言葉が並んだ原稿が出来上がり、本番ではどうしても棒読みになってしまいます。下手をするとつかえたり、つかえたことがきっかけでパニクったりしやすくなります。こんな事態を避けるのは簡単です。ひらがなの多い原稿を書くようにすればいいのです。

話し言葉で書く

スピーチを指導する多くの専門家が、「スピーチ原稿は話し言葉で書きなさい」と言っています。使い慣れない文語体で書くと、本番ではそれを読むことだけに必死になってしまうからです。これでは滑らかに話せません。また、気持に余裕がなくなり、言い間違えて焦ったとき、リカバーできなくなってしまいます。

文語体の原稿とは、例えば次のようなもの。

若葉萌えいづる頃となりました。皆さまに於かれましては、お健やかにお過ごしのこととお喜び申しあげます。本日はご多忙の中ご参集いただきまして誠にありがとうございます。さて、今回私がお話させていただきたいことは~

これに対して、話し言葉で書いた原稿は――

最近は温かくなって来ました。皆さまお元気ですか? 今日はお忙しい中、お集まりいただいて、ありがとうございます。さて、今回、私がお話したいのは~

「本日」→「きょう」、「ご多忙」→「お忙しい」、「ご参集いただきまして」→「お集まりいただきまして」、でいいのです。普段使っている、比較的丁寧な言葉で書くのがコツです。

例をもう1つ。

「本日はご多忙のなか、万障お繰り合わせのうえ、本会にご臨席の栄を賜りまして、主催者一同、身に余る光栄と存じております」

これならいいじゃないか、と思うかもしれませんが、話し方教室の先生から言わせると、これは良くない例。普段使わない言葉ばかりなので、本番でつかえるに決まっているそうです。この場合、仰々しい挨拶はなしにして、普通の言い方で本題に入るのがいいやり方です。

「皆様、こんばんは。今日は皆様にご報告することがあります。その件でご意見をうかがいながら、今後の活動方針を決めてまいります」

目安はひらがなの多さ

話し言葉で書くように、と言われても、すぐには出来ないかも知れません。特に、仕事などで文語体の文章に慣れている人には難しいと思います。

そんな時は、「ひらがなの多い文章を書く」ようにするのがいい方法です。書きながら、漢字が多くなってきたり、漢字を連ねた熟語が多くなってきたなと思ったら要注意。日常では口にしない文語体の言葉が増え、スピーチしにくくなっている証拠です。ひらがなを多く使うように意識しましょう。そうやって書き上げた原稿は話し言葉になっています。

やがてメモ書きだけでも大丈夫に

話し言葉で書いた原稿は、必死にならなくても読めます。いつも使っている言葉なので、慣れてくると、文の最後の方は見なくても言えてしまいます。すると、顔を上げて聴衆を見ながら話す余裕も出てきます。

これを発展させていけば、スピーチのフル原稿を見なくてもよくなります。要所要所のキーワードを書いたメモだけで済むようになります。そうなると、ワードをチラ見するだけでいい→ますます余裕が生まれる→ますますあがらなくなる、という好循環が生まれるのです。

あがり症の克服は、こんなふうにきっかけをつかむことが大事。きっかけさえつかめば、そこから先は倍々で、加速度的に楽になっていきます。

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