大事なスピーチの数日前に、自己暗示をかけてあがらなくする法

20世紀初頭にフランスのエミール・クーエ博士が確立した自己暗示法。現代でも、自己啓発の分野を中心に多く利用されています。あがり症克服を指導するカウンセラーの中にも、自己暗示を勧める先生が多くいます。

特に、大事なスピーチをする1週間ほど前から自己暗示をかけるとあがらなくなると言われています。人によって暗示が効きやすい人と効きにくい人がいるので100%の効果は保証できません。けれど、管理人にはある程度効果がありました。なので、そのやり方を紹介したいと思います。

基本的な手順

自己暗示のかけ方にはいくつかのパターンがありますが、基本的な手順は共通しています。

心身をリラックスさせる→気持を集中させる→潜在意識に暗示を「入れる」

これが基本。それぞれの段階は次のように進めていきます。

1. 心身をリラックスさせる

まず、腕時計やネクタイ、ベルトなど体を締めつけるものは全て外します。

次に、椅子などに座り、背筋を伸ばしたまま、肩と腕の筋肉を緩めます。背もたれには寄りかかりません。リラックスしながらも、上半身は真っすぐに立っているという状態が理想です。そして、力を抜いた両手をお腹の前で軽く組みます。

(椅子に座らず、ベッドや布団などに仰向けに寝てやってもかまいません。ただ、管理人の場合、それだと眠ってしまうことが多かったので、座ってやりました)

この時、部屋のテレビやラジオ、音楽などは消して、できる限り無音の状態にしましょう。照明は点いたままでかまいません。

2. 気持を集中させる

座った状態でリラックスできたら、目を軽く閉じ、腹式呼吸を始めます。

腹式呼吸とは、人間が睡眠中に自然にやっている呼吸法で、胸(肺)でなくお腹で呼吸するやり方です。

まず、1度息を吐き切ってから、お腹を膨らませてゆっくり息を吸います。口ではなく鼻から吸います。組んだ両手でお腹が膨らんでいくのを感じながらやるのがコツです。(詳しいやり方は「032腹式呼吸の方法」ページで説明)

約5秒ほどかけて息をいっぱいに吸い込んだら、そこで3秒ほど呼吸を止めます。体内に空気を保持したまま、1、2、3と3つ数え、それから吐き出します。吐くときは鼻ではなく口から。吐く時はさらにゆっくりと、吸う時の倍くらいの時間(約10秒)をかけます。息を吐き切り、お腹の中が空になったと感じたら、今度は待たずに、すぐに息を吸います。

このサイクルを10回ほどくり返すと気持が落ち着いてくるので、次に、自分の呼吸の数を数えます。「1回」、「2回」、「3回」……と、5回まで数えてから、また「1回」に戻り、再び「5回」までくり返します。

呼吸を数えるのは、気持を集中させるのが目的です。日常生活で気にかかることがいろいろあると思いますが、この時だけは全てを忘れて、数えることに集中してください。

頭の中が数えることだけになったら、次に暗示を入れます。

3. 潜在意識に暗示を入れる

暗示を入れる(かける)ときには、映像と言葉を利用します。

まず最初に、「やるべき準備はすべてやった。私にはいま、力が満ちあふれている」という言葉を、心の中で数回唱えます。ゆっくりと、ていねいに唱えるのが大事です。

唱えるのはこの言葉と一言一句同じでなくていいのですが、管理人は、参考にした指導書にあった文をそのまま使いました。他の言葉の例にはこんなものがあります。

「私には安定した心と落ち着いた態度が身についている」
「私には、人前で話す優れた力が身についている」
「私は人前で話すのが好きだ」

次に、自分のスピーチが成功している場面を、映像として頭の中に思い浮かべます。例えば、大勢の前で自信に満ちた笑顔を浮かべてスピーチしている自分の姿をイメージします。

そして、このイメージを頭の中に映したまま、最初に唱えた言葉を再び数回繰り返します。

これで自己暗示は入れ終わりました。最後に頭の中の映像を消し、暗示の言葉も忘れ、再び腹式呼吸に集中します。腹式呼吸を5回くらいやったら、心の中で「イチ、ニ、サン」とかけ声をかけ、静かに目を開けます。(テレビで催眠術師が相手の目を覚まさせる時にやっているアレですね)

これは夜寝る前にやるといいそうですが、静かな時間が取れるなら昼間やってもかまいません。(管理人は寝る前にやりました)寝る前にやるときは、終わってからテレビを見たりネットをやったりせず、すぐに眠るのがいいそうです。そうすると、暗示が潜在意識によく入ると言われています。

あがり症は、何のかきっかけが掴めると見る見る治っていきます。管理人の直接のきっかけは自己暗示ではありませんでしたが、これが効く人もいるはずだと思います。何ごともやってみないと分かりません。いろいろやってみてきっかけさえ掴めれば、あがり症は必ず克服できます。

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