一人でできる話し方上達法(2)–アドリブ音読

一人でできる話し方上達法の第1ステップが、原稿文をそのまま読む音読なら、第2ステップは、原稿をアドリブで読み替えていく音読です。これをやると、喋りながら同時に頭を働かせられるようになり、思考に余裕ができます。すると、いわゆる「テンパってしまう」状態が減り、あがりを回避できるようになります。

(音読については『一人でできる話し方上達法(1)〜音読』ページで詳しく説明しています)

新聞記事を読み替える

アドリブ音読は、アナウンサー出身の先生が開講している話し方教室でよく行なわれるトレーニングです。管理人が行った教室でもやっていました。(教室ではアドリブ音読とは呼んでいませんでしたが)

やることはこうです——書き言葉で書かれた新聞記事を、話し言葉にして音読する。言葉の変換はその場でアドリブでやります。例を挙げるとこんなふうになります。

〈元原稿〉
世界気象機関(WMO)は8日、2011~15年の世界の平均気温が観測史上最高になり、昨年は産業革命前の平均からの気温上昇が初めて1度をこえたと発表した。地球温暖化対策の新たなルール「パリ協定」では気温上昇を2度未満、できれば1.5度未満に抑えることを目指しているが、余裕がなくなりつつある。(『朝日新聞デジタル』より)

〈話し言葉バージョン〉
世界気象機構、ダブリュー・エム・オーは、今月の8日に、2011年から2015年までの世界の平均気温が観測史上最高になり、昨年は産業革命前の平均から比べて、気温上昇が初めて1度を超えたと発表しました。地球温暖化対策の新しいルールである「パリ協定」では、気温上昇を2度未満に、できれば1.5度未満に抑えることを目指しています。しかし、その余裕がなくなりつつあります。

元原稿を見ながら音読し、口から出る言葉を、下の〈話し言葉バージョン〉のようにします。〈話し言葉バージョン〉に決まりや正解はありませんので、自分が普段話している言葉を使うようにします。

基本は、文末の「~だ」「~した」「~している」などの言い切り口調を、「~です」「~しました」「~しています」に変換することですね。

また、新聞によく出て来る「同日」という言い方は、「○月○日」に言い換え、人を示す「同氏」はその人の名前に言い換えます。

例をもう1つ挙げてみましょう。

〈元原稿〉
俳優の故三船敏郎さんが米ハリウッドの殿堂入りを果たしたことを祝う式典が14日(日本時間15日)、ハリウッドの観光名所「ウオーク・オブ・フェーム(名声の歩道)」で開かれ、三船さんの名前を刻んだ星形の敷石が披露されました。(毎日新聞より)

〈話し言葉バージョン〉
俳優の、今は亡き三船敏郎さんが、アメリカのハリウッドで殿堂入りを果たしました。それを祝う式が、日本時間では15日に、現地の時間では14日に、ハリウッドの観光名所であるウオーク・オブ・フェームという場所で開かれたそうです。ウオーク・オブ・フェームは、名声の歩道とも言われています。そこで、三船さんの名前を刻んだ、星形の敷石がみんなに披露されました。

話し言葉になるように、どんどんアドリブを利かせてください。そうやって脳を使いながら話すのが、この練習の主眼です。アドリブできるようになれば気持に余裕ができ、「途中でつかえても何とかなる」という自信が生まれます。

また、このアドリブ音読を「原稿を話す」という裏技に発展させ、さらに自信をつけることもできます。(それについては「話し方教室でやっている「原稿を話す」練習」のページに書いています)

こうやって自信を積み重ねながら、あがり症克服へ向けて1歩1歩進んで行きましょう。

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